1026回


おかゆさん


茂木先生、はじめまして。私は30歳の主婦です。
[
幸福になる「脳の使い方」]を読んで以来、こちらのブログを拝見しております。茂木先生のお言葉からは希望や安心をもらえて、私は癒されたり元気をいただいています。

ご相談ですが、私は度々、なぜ自分が涙を流しているのか分からないことがあります。自分の感情のうち、特に「悲しい、つらい」という感情に対して脳が理解しづらいような感じがしています。

無意識の領域では確かに悲しいので涙が出るのでしょうが、意識では、なぜ自分が泣いているのかわからない、もしくはなんとなく理由は分かっているんだけど、泣くほどのことではないと自分では感じているのに、涙が出ている、不思議だな。という感じです。

私は大学4年の頃にうつ病と診断されたことがあり、その頃にはかなり頻繁に「勝手に涙が出てくる」という現象を経験しました。その頃の状態は大学卒業と同時に治りました。なので今はうつ病ではないですが、私の状況を少しお話しますと、3年程前から様々な体調不良で悩んでいたのですが、ずっと原因不明だったので放置していたら去年ついにうつ状態で体が動かなくなってしまい、正社員を辞めてリハビリ中ですが、現在はうつ状態も治り、比較的元気に過ごしております。

今は元気なのですが、「何が悲しいのかわからない」という状況がうつ病の頃の「勝手に涙が出てくる」という状況と似ていて、私にとって本当の心身の健康を取り戻すために少し考えてみたい・気になっていることであり、今回初めてご相談させていただきました。

何が悲しいのかを自覚するにはどうすればよいのでしょうか。泣こうと思っても泣けないのに、泣きたくないのに泣いてしまうこと、人間あると思うのですが、涙が出ることと、脳が思考していることは別なのでしょうか?
ちょっと言いたい事がよくわからない文書になっていたらすみません。
「涙がでる理由」について、そしてそれが自覚出来ない人はなぜ自覚できないのか、どうすれば自覚できるのでしょうか。茂木先生のお考えを少しでも教えていただければ嬉しいです。


ご回答。


涙が出たり、悲しいといった感情があったときに、つい、その「理由」があるのではないかと思いがちですが、必ずしもそうではありません。


むしろ、そのような感情や生理が先にあって、その理由を、大脳新皮質があとから見つけることが多いのです。


おかゆさんの場合、基本的なところで、「幸せ」を感じるのが大切なのかなと思います。


好きなたべものを食べたり、あたたかくしたり、ゆっくり眠ったり、リラックスした時間を過ごしたり、気の合うひとと雑談したり、そのようないきものとして基本的な条件が満たされることで、「幸せ」の感情が生じ、「悲しみ」の感情は減っていくものと思います。


そして、そのような時に感じる「幸せ」の理由は、特にないのです。


感情は理由なしに自分に起こるものです。


Emotion happens to you without reason.


理由をつきとめてそれを解決しよう、と思うよりも、とにかく幸せになってしまうのが良いのです。

nounandemo
 
脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします。

よくある相談項目を集めて、回答した本です↓

『すベての悩みは脳がつくり出す』