昨日、話し終わったあと様子を見ていたら体温が上がらなかった。夜も上がらなかったようである。だから、ようやく通り抜けたのかなとは思うけれども、まだまだあちこちいたい。


 今回の風邪、つくづく思ったのは、休んで眠っていれば早く治るというのはおそらく本当で、要するにそれだけ免疫系がきちんとはたらくことができる。


 ぼくみたいにこの仕事、あの仕事と動いていると、その度に、免疫系の作用が阻害されてしまう。


 風邪の薬というのはごく初期に飲む以外は対症療法で、熱には出ることでウィルスをやっつけるという側面もあるから、よほど熱が上がりすぎるとかそういうことがないかぎり、基本的には薬を飲まないという習慣でやってきた。


 一つの例外はイギリスで売っているレムシップで、これは有効成分がアセトアミノフェンで、鎮痛、解熱の効果がある。


 もっとも、ぼくがレムシップを飲んでいるのは、ホットレモネードとしての味が好きだからという側面が強い。


 今回、このような風邪に関するぼくの「ドラッグポリシー」が一部変わった。


 午前0時くらいに痛くて目が覚めて、それで10分とかおきに目が覚めて、痛い、とか言っていたときに、そうだ、「実験」としてあれを飲んでみようと思った。


 九州のお店の方が、ぼくが風邪でつらそうにしているのを見て気の毒がって、ご自身がのまれているという薬を6錠くださったのである。

 有効成分はイブプロフェン。


 二粒のんで目を閉じていたら、次に目が覚めたのは5時間後だった。


 効いた。


 それで、なるほど、と思った。

 熱はウィルスをやっつけるために必要だし、痛みにも、体の異常をつたえる働きがある。


 しかし、痛みが過ぎると意識への作用で、前頭葉の遂行性ネットワークがのっとられてしまう。

 眠れなかったり、仕事ができなかったりする。


 だから、鎮痛ということには場合によって意味があるんだなあ、と思って、イブプロフェンは飲むというポリシーに変えた。


 助かるのは、眠れるし、仕事もできる。


 これからは、鎮痛剤は必要に応じてのむことにしよう。


 ところで、もう体温は上がらないと思って安心していたら、なんだかもやもやとして、あれれと思って横になって測ったら、37.6℃ある!


 やばい、と思って10分くらいやすんでいて、それから測ったら、36.8℃まで下がっていた。


 まだゆだんしてはいけないようだ。


 少しずつ、ゆっくり。


 みなさまもお大事に。


(クオリア日記)