995回
シャムさん
茂木先生、こんにちは。20代男です。
最近、「科学的」という言葉が動画などによって、より身近になっている気がします。
たとえば「科学的に幸せになる方法」や「科学的に正しい食事」などのように、動画を通じて以前よりも流行って、身近になっている感じがするのです。
たしかに科学的な見解には説得力がありますが、逆に科学に振り回されることも少なくありません。
メタ分析であれば、人生が豊かになる保証はあるのでしょうか。
幸せは「科学的」であれば正しく本物、という悩ましいイデオロギーになってる気もします。
一方で、やはり科学は素晴らしいと認めざるを得ません。
茂木先生はどのようにお考えですか。
ご回答。
科学的ということは、「反証可能性」があるということで、つまり、その仮説が正しいかどうか、確認する(特に、正しくないことを確認できる)方法があるということです。
ユーチューブ動画などの「科学的」がどのようなものか私は見ていないのでわかりませんが、最低、上の反証可能性を満たす必要があります。
また、健康や幸せは、関与するパラメータが多いので、たとえ、反証可能性を満たすかたちで、あるいは統計的に有意なデータでそれがエビデンスとして支えられていたとしても、全体から見るとあまり意味がないケースも多いです。
生命現象は一般に非線形で多数のパラメータが関与するので、「科学的」という言い方が典型的には成立しにくいのかと思います。
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