メンリッヒェンからグリンデルバルトまで降りていった(ハイキングした)時の映像が、90分もあって(最長記録!)、ホテルに帰ってきたあと、シャツを脱いでしまって(なにしろ暑かったから)、床に座ってビールを飲みながら、iPhoneのiMovieでつないでいったんだけど、ぼくの理解では(間違っていたらごめんなさい!)iMovieって、defaultがなんかへんなじわーっとつながっていくtransitionが入っていく設定になっていて、ぼくはそれは嫌で、一切のeffect なしに次のクリップに行きたいから、つなぐ動画(数百クリップ!)を選択した後、いちいちtransitionなしに切り替えていく作業が必要で、それが90分の動画だと1時間くらいかかるという意味のない感じになった。


(Appleさん、ぜひiPhoneのiMovieの接続のdefaultをtransitionなしにしてくださいませんか。あるいは初期設定で一気に変えられるようにしていただけませんか? それともそれができるんだけどぼくが発見できていないのだったら、ごめんなさい)


それで、その単純作業をしている間、耳が退屈だから、何か聞こうと思って、ユーチューブにあった川端康成の『伊豆の踊子』の朗読を聞いてみたんだけど、中学くらいで読んで以来だったと思うのだけれども、改めてよくできた小説だなあと思った。


最後の方になって、主人公の学生が「いい人だ」と言われて普段の自分の社会的生活の破綻を思い出して涙ぐむところとか、なぜか東京に帰る船で幼い子をたくさん連れたおばあさんの世話を頼まれるところとか、本当に深い。


そこに至るまでの、踊り子をめぐる葛藤の描き方がストリーテーリングとして抜群なのは言うまでもない。


『伊豆の踊り子』は今や当たり前過ぎてあまり話題にならない作品なのかもしれないけれども、iMovieの単純作業があったおかげで久しぶりに振り返られてかえって良かった。こういうことがあるから、単純作業はばかにできない。


(クオリア日記)