連続ツイート2261回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。


スイスに行って思ったのは、スイスという生き方があるんだなということ。今回移動したのはドイツ語圏だったけど、イタリア語、フランス語、それにロマンシュ語を話している方々がいらして、つまり多言語であるということは国としての統一感に支障がないらしい。


スイスは付加価値の付け方がうまいなあと感じた。ユングフラウヨッホへの登山鉄道も、運賃はかなり高めだけれども、技術を投入してそれをつくって、メンテナンスして、見事な運行をして、その高い値段でも世界中から観光客が殺到するという、その仕組がすばらしい。


今回衝撃的だったのが、チューリッヒの街並みの洗練と成熟で、そこを歩いている人たちの感じとか、うわあ、これはと思った。ニューヨークにもロンドンにもパリにもないチューリッヒ品質で、これはある意味では世界一なのだろうと感じた。


チューリッヒにはよくわからないけど世界の金融の中心みたいな会社がたくさんあるわけで、それは、ワーグナーがヴェーゼンドンクさんをパトロンとして頼ってスイスに住んでいた頃からきっと続いていて、そのあたりの付加価値や信用の回し方が、すごいのだろうと感じた。


チューリッヒには高層の建物もないし、湖がすぐ近くにあって、要するに田舎なんだけど、その田舎に銀行とか、時計とか、高付加価値のものが集積していて、街行く人たちの雰囲気も洗練されていて、至るところで文化や藝術のフェスティバルみたいなことをやっていた。文化度がとても高い。


チューリッヒは三船敏郎の映画の特集上演をしていたり、ジュリアン・バーンズが来る文学フェスがあったり、東京とかに比べたらそんなに人口はいないだろうに、人口一人あたりの文化度が高い印象があった。ぼくは行かなかったけれど滞在した日はオペラ『ナブッコ』の上演があった。


これだけ経済力があって(チューリッヒは市民一人あたりの所得が世界一だそうだ)文化の集積もあると、当然教育の質も良くなるわけで、世界的に有名なスイスの寄宿舎学校が生まれる背景はこのあたりにあるんだなと感じた。教育を含めて、付加価値を生み出すのがうまい。


日本は置かれている地理的状況も違うし、人口規模も違うんだけど、スイス的なモデルというか、精密な工作をしたり職人気質のようなものは通じるところがあるのだと思うし、一つのケーススタディとして大いに参考にしたら良いのではないかと感じた。今回の滞在でスイスに強い興味を抱いた次第です。


以上、連続ツイート2261回「スイスという生き方」をテーマに8つのツイートをお届けしました。

(チューリッヒの街を旅ランして、その洗練された雰囲気にすっかり魅せられました。下のリンクより)