連続ツイート2243回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。


防衛省の方が、イージスアショアの設置場所を検討するときに、実地調査などをせずに、グーグルアースをつかって、しかも縦方向の縮尺を考慮しないでまちがった仰角を計算されていたという件、なんだか深く考えさせられてしまった。


このような時、悪意とか怠慢を指摘するのはおそらく間違っていて、防衛省でそのような重要な職務を担当されている方の、科学技術のリテラシーがきわめて不十分という、より深刻な問題につながっていくように思う。


戦争はない方がよいに決まっている。しかし、防衛省で採用している兵器などは、いわば科学技術のかたまりであって、その評価、運用においてはきわめて高度な数理的な能力が必要であるはずで、今回のグーグルアース事件で果たしてだいじょうぶかと本気で心配になってしまった。


これは、防衛省だけの問題ではなくて、日本の社会全体で、科学技術のリテラシーが足りないのだと思う。さかのぼれば、教育プロセス、メディアの報じ方において、日本において科学技術のいわば「オタク」層を醸成する雰囲気が欠けていると私は以前から感じている。


『ビッグバン★セオリー』のように(今変換して、日本名に星印が入っていることを初めて知った)、理系オタクの感性や価値観をうまくとりこんだエンタメがもっとあればいいのに日本の教育過程やメディアの報じ方の中では、数理系のオタクの感性、なによりもターゲットの高さをうまく表現できていない。


社会の中に、数理的な感性の高さについてのアウェアネスが十分に共有されていないし、メディアもそういうことなしにしている人たちがつくって牛耳っているから、めぐりめぐって今回のような防衛省のリテラシーの低さという結果が生まれているのだと私は感じる。


NHKの『ガッテン』などの番組にせよ、ああいう猫なで声の作り方じゃなくて、もっとp値がどうのこうのとか、因子分析とか、統計的有意性とか、がんがん出していいと思う。そうすることで、科学技術的なリテラシーは上がっていくはずだ。


先日出演させていただいた時のNews23が、孫正義さんによる育英財団で天才少年たちが(仮想された一般視聴者にとっては)わけのわからないタームを気にせずに喋っていたVTRはとてもよかった。ああいう時間帯がもっとメインストリームの番組にあってよい。理数系オタクにもっと光を当ててよい。


以上、連続ツイート2243「防衛省のグーグル・アース事件に思う、日本の理数系リテラシー向上の必要性」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

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