移動中眠るのがなによりの贅沢で、ほんとうにうれしい。


 それでうとうとしていて、はっと目がさめると、車窓の外にゆうぐれの里山が広がっていたりするともう心がたまらない。


 新幹線だとあっという間に通り過ぎてしまうけれども、そこに住んでいる方がいて、時間の流れがあり、静けさがある。


 ああ、いつかゆっくりこのあたり歩いてみたいなあ、と思いつつ、それが実現しないことを知って、またうとうとと眠りにつくのがよい。


 スピードとうとうとの存在的コントラストがよい。


(クオリア日記)