ぼくは、以前にも書いたことがあるように、大河ドラマや朝ドラのように、クリエイティヴな意味での内容とか尺感に関係なく毎日とか毎週で半年とか一年続くフォーマット自体に懐疑的だけど、その中でクリエーターの方もスタッフも俳優さんもベストを尽くしているのだと思う。


今年の『いだてん』が視聴率がふるわないらしくて、最低を更新したとかいうネットニュースが出てたけど、こんな感じでいたでんいじめをするのはどうなのかなと思う。


もちろんニュースは単に客観的に事態を報じているだけだとも言えるけれども、他人の不幸をよろこぶ「シャーデンフロイデ」の気配もあるのだ。


そもそも、大河や朝ドラはNHKの看板番組なんだろうけど、だから視聴率高くて当たり前というプレッシャーのもとでみんなやっているんだと思う。


でも、番組評価は視聴率だけでないはずで、内容がいいか悪いかという批評的な側面もあるはずだ。


残念なことに、日本では批評行為がほとんど成立していないので、視聴率は良いけど批評的にはダメだとか、逆に視聴率は悪いけど批評的には良いとかいった複数の視点が成立しない。


だから視聴率一元主義になってしまう。


ほんとうは、視聴率が高くても芸術的にはダメというものもあるはずで、そんな視点から見たら『いだてん』はどうなんだろう。


ぼくはテレビを見る時間が一切ないから、わからないけれども、視聴率だけをとらえていだてんいじめをしているんじゃなくて、ちゃんとした批評をのせればいいのにと思う。


NHKとしては受信料の正当化として朝ドラとか大河は大切なのだろうけれども、一視聴者としては良い番組をつくってくださればいい。


5月5日の子どもの日にたまたま目にした定時ニュースで、日本の子どものことをやった後、シリアの難民キャンプの子どもたちを追ったコーナーはとてもよかったし、またぼくは見ることができていないけれども、改元の前の日のNHKスペシャルも評判がいいようだ。


視聴率だけでなく、内容をきちんととらえた批評的なスタンスがないと、クドカンさんをはじめ『いだてん』のスタッフがかわいそうだ。


(クオリア日記)