日本に帰ってきたら、空気が暖かくて、しっとりとしていたのでびっくりした。


 東京に向かう列車の中で、水田や、雑木林や、建物を見て、ああ、日本だなあ、外国から日本に来るひとはこの風景を最初に見るんだなあ、と思った。


 成田についたとき、女のひとが走っていて、JALの飛行機がいっぱいならぶ背景で、男のひとがスマートフォンでその様子を撮影していて、ああ、日本についたばかりでウキウキしているんだなあ、と思った。


 私にとってはまた戻ってきたが、彼らにとっては初めて来たになる。


 人生で、そんなことがいろいろな場所であるんだろうなあと思う。


(クオリア日記)