858回


伊藤聡さん


こんにちは。伊藤といいます。

性格について質問です。
私は、人間の先天的な性格を示したユングの「タイプ論」に興味があります。
その中でも、性格類型という分類の仕方に特に興味があります。
内容については、西暦1800年~1900年台の洞察によるまとめなので、科学的な根拠がないと思っています。
ですが、タイプ論の視点から人を観察していると、話し方のクセや判断の基準、行動の原理や交流の範囲といったものが、本当にあるように思えてなりません。

このような差は、脳の各機関の成長の差によっておこるのでしょうか。
タイプ論では、ざっくりこのような分類をしています。

(1)外向型/内向型 - 自分の世界の位置
(2)思考型/感情型 - 判断における基準
(3)感覚型/直感型 - 好ましい情報の形

動物は、その動物を特徴づけるような器官における脳の機能の体積などが、大きく違うと聞きました。
例えば扁桃体の「大きな人間/小さな人間」によって「どう思うか/得をするか」で判断して行動する傾向があるのでしょうか。事実的な内容を好む人間と、抽象的な内容を好む人間とでは、海馬の構造に違いがあったりするのでしょうか。

タイプ論よりも後に、その内容を補完するようにしてMBTIという性格診断が作られました。
そこに追加された新たな指標があります。

(4)判断的態度/知覚的態度 - 計画的に動くか柔軟に対応するか

(4)では、自分の衝動性をうまくコントロールできるかどうかによって、計画性を好むかリスクを好むかというバランスが決まってくるそうです。これはしつけの問題のようにも思えますが、衝動性のコントロールができる人と、そうでない人では脳の器官の大きさなど違いがあるのでしょうか。線条体、側坐核など調べてみましたが、難しい単語が多すぎて全くわかりませんでした…。

4つに関して、もし関連しそうな脳の器官があれば、是非教えてください。


ご回答


ユングのタイプ論のようなものは、それを読んでインスパイアされたりするあたりにとどめておくのがよいと思います。


それ以上の現代の脳科学との接続を求めても、あまり生産的ではないのではないでしょうか。


ユングが当時、そのような発想に至ったという、その創造性自体の方が注目、受容すべきかと思います。


Myers–Briggs Type Indicator(MBTI)も同じようなことだと思います。


一般に、人間の性格類型は複雑で、因子分析などで解析して、それを脳の部位(これも注目される部位だけでなくもっと多数のパラメータとの比較になるでしょうが)と結びつけるのは私たちの認知の問題であって、背後にあるダイナミクスそのものとは間接的な意味しかないと思います。


このようなことに興味を持たれること自体はよいことだと思うので、ご自身でいろいろ調べてインスパイアされたら良いのではないでしょうか?!

nounandemo
 
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