853回
とどけんさん
茂木さん、こんにちは!
26歳の大学院生です。
いつも茂木さんのブログを楽しく読ませていただいています(^^)
質問は、「理解と記憶」に関するものです。
脳の基本的な機能に関する僕の理解では、二つのインプットが脳内で繋がる瞬間(理解)と、短期記憶が長期記憶にコンバージョンする瞬間(記憶)は、区別することができないものだと認識しています。
つまり、記憶と理解は科学的には同じ事象だと捉えられている、という考え方です。
しかしこれでは、理解したが記憶していない状態、記憶しているが理解していない状態が説明できません。
茂木先生の意見を聞かせてください。
宜しくお願いします!
ご回答。
なにかについて思考すること(計算すること)と、記憶することの関係は確かに興味深いですね。
データ的には、知能と短期記憶の間には明らかな相関があります。一方長期記憶は必ずしもそうではありません。
記憶、というよりも、脳のシナプス結合の可塑性として一般化するとより深い問題になりそうです。
思考(計算)に、可塑性はどれくらい不可避的にかかわるのか。ヘブ則との関係は?
ロジャー・ペンローズが『皇帝の新しい心』(The Emperor's New Mind)で示した「理解」についての洞察は深く、時々思い出すことがあります。
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『すベての悩みは脳がつくり出す』