851回
ゆうぜんさん
茂木先生はじめまして。
僕は大阪に住む18歳の大学生です。
僕が茂木先生にお聞きしたいのは、「仏教のお経や題目を唱えている時に、脳がどのような働きをしているか」です。
最近は「瞑想ってなんか宗教っぽくない?」と思う人も少なくなってきていると思うのですが、実際何世紀も前から幾多の宗教が取り入れていた一部の習慣や行動が人体にとって良い変化をもたらす事が科学的に証明されて来ていると思っています。
仏教の多くはお経や題目を熱心に唱える事が主に重要視されていると思うのですが、僕の質問の内容に合った研究論文などを見つけることが出来ませんでした(僕の探し方が悪いのかもしれませんが…)。
かなり変化球な質問で答えるのが難しいかも?と思いますが、どんなに些細な事でもいいので ご意見いただけると幸いです。
ご回答。
「仏教のお経や題目」を唱えることと、瞑想との間には、関係があって、一つの宗教文化のスペクトラムの中にあるといえるでしょう。
一般に瞑想の効用として知られているのは「メタ認知」の高度化、精緻化です。
自分が感じていること、考えていること、他の人が感じていること、考えていることを「自己バイアス」なしによりクリアに見ることができる。
たとえば感情の中枢である扁桃体と、前頭葉のvmPFCなどの関係で言えば、後者が前者をモニターし、適切にコントロールする機能が増します。
お経や題目を唱えることは、上のような効用をもたらすために必要な自己バイアスからのdetachmentをうながすことになります。
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『すベての悩みは脳がつくり出す』