連続ツイート2185回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「繰り返しと音楽」について。


イギリスのテレビ関係者の投票による史上最高のコメディに、『フォルティ・タワーズ』と『ファーザーテッド』が選ばれたというニュースがあった。たまたま私が好きで繰り返し見ている両作品。6エピソードが2シリーズ、プラス『ファーザーテッド』はクリスマススペシャル。全部20回ずつは見ている。


エピソード数を絞って、一つひとつのエピソードを徹底的につくりこんで、10年も20年も30年も愛されつづけるというやり方は、日本のテレビでもやったらいいとずっと思っている。『フォルティ・タワーズ』も『ファーザーテッド』も、一つひとつのエピソードが古典になって場面やセリフを皆が知る。


『フォルティ・タワーズ』も『ファーザーテッド』は、どのエピソードも何十回と見ても飽きないのは、そこに音楽性があるからである。すぐれた作品は、繰り返し味わうことに耐えるが、そこに立ち上がるのは音楽と同じ属性である。音楽はヘビーローテーションで聞いても、感銘が簡単には消えない。


音楽性は意味を超えている。ストーリーの仕掛けや、謎解きや、サスペンスなどは一度見ると終わってしまう。何気ないセリフや、立ち回りが、なんともいえないリズムやハーモニーを持っていると、そこに音楽性が立ち上がる。何度鑑賞してもその度にむしろ感銘は深まる。


『ファーザーテッド』をやっている役者さんは、みなそれぞれ賢いのに、ジャックやドゥーガルなど、ほんとうに徹頭徹尾アホなのが、振り返るとすごみがあって、ミセスドイルもその役柄に徹していて、テッドと相まって、永遠にその中でぐるぐるする世界をつくっている。だからファンが絶えない。


すぐれたコメディは作り込まれた音楽のようなもので、日本で言えば古典落語がそれに相当するだろう。何度聞いても飽きない。イギリスのコメディの古典は、視覚聴覚的につくりこまれた「落語」のようなものだと説明すると、わかりやすいかもしれない。背景となる文化は違うが音楽性が共通している。


以上、連続ツイート2185回、「つくりこまれたコメディは音楽になる」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。


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