837回
とどけんさん
茂木さん、こんばんは!
26歳の大学院生です。
大脳辺縁系と大脳新皮質の関係性について教えてください。
食べては行けないと頭でわかっていても、つい食べてしまう甘いもの。その人の言ってることが正しいと頭でわかっていても、なぜか好きになれないあの嫌な奴。
このように、時に論理的な正しさが行動を支配しきれないのは、大脳新皮質の影響力が大脳辺縁系のそれより弱いからなのでしょうか。
もし仮にそうだとすると、周囲の人を動かすためには、ロジックで正しさを訴求するより、情に訴えるメッセージの方が強力ということになるのでしょうか。
お答えいただけると、とても嬉しいです!
ご回答
ラフな分類、アサインメントですが、大脳新皮質を意識や論理、大脳辺縁系を感情や無意識の座とすると、意識や論理が感情や無意識の方向づけに影響されるというアーキテクチャになっています。
たとえば、感情が先に結論を出していて、その理由を論理が後付で説明する。
無意識が用意したアクションの選択肢を実行するかどうか、最後にveto(拒否権)を発動するかどうかというかたちで意識が関与する。
このようなシステム構成が脳の中では普遍的に存在します。
どうしてそうなっているのかについてはさまざまな議論がありますが、今後人工知能や人工意識のアーキテクチャー設計の問題とも絡んで、おもしろい論点だと言えるでしょう。
メッセージは、論理よりも感情、意識よりも無意識に訴求する方が効果的だというのはそのとおりです。メンタリストの活動はその前提に基づいて構成されています。
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