2019年3月15日の講座。 


そういえば、アサカルの講座の内容って記録していなかったなと思って忘備録的に。


今回は、ニュース報道のあり方に見られる、メディアの問題をとりあげました。


昭和天皇崩御、そして新元号の発表の際の報道をまずふりかえり、続いて、報道の自由度ランキングや、BBCのイメージ調査に言及。続いて、ミュンヘンにいるThomas Hanitsch教授の2011年の論文で提案されている4つのジャーナリズム文化のカテゴリーを紹介し、Detached Watchdogがもっとも望ましい文化だということを強調。

それぞれの文化に属するニュース番組の内容をレビューしました。

続いてNHKニュースとBBCニュースのフォーマットを比較し、後者が、記者(ジャーナリスト)自身による肉声の報告という特徴を持っていることを指摘しました。

BBCの憲章(Charter)で唯一制作が義務付けられいる番組、Today in Parliamentのフォーマットを検討。

野党、与党の発言をコンパクトに編集して、多声性を実現しているそのノウハウを見ました。

そもそもイギリス議会において、議員が誰でもいつでも議長の許可を得て発言できることを紹介。実質的な議論が行われる、その仕組を解説。

女王による議会の開会式がどのように行われているかを論述。

東日本大震災の報道をふりかえり、モータリティ・サリエンスによる保守化のメカニズムを考察。脳の中で、モータリティ・サリエンスに基づく偏見の回路がどうなっているかをデータで記述。

リベラル、保守派の傾向を持つ人の脳活動の特徴をデータで紹介。

続いて、マクルーハンのメディア論における、「メディアこそがメッセージである」「グローバルビリッジ」の概念を検討。ウディ・アレンの最高傑作「アニー・ホール」にマクルーハンがカメオ出演していることを紹介。

これまでの議論を受けて、グローバル・コンバーヴェンス論の観点から、今後のメディア文化のあり方を検討。

最後に、イギリスのコメディ文化の最新のトレンドとして、This time with Alan Partridgeをレビューして、今回の講座は終わりとなりました。


次回の講座は、4月12日(金)の予定です。


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