818回
ISIN240さん
こんにちは。僕は今年受験を終えた浪人生です。実は数ヶ月前、この脳のなんでも相談室にてご相談させていただいたこともあるのですが、今回も同様にぜひ茂木先生のご意見を伺いたくコメントを寄せさせていただきました。さて、僕は今年の大学受験で、茂木先生の適切なアドバイスのお陰もあって、無事第一志望の大学に合格することができました。四月からは、希望通りの学校で、希望通りの勉強をすることができます。ありがとうございました。いまから期待で胸がいっぱいになり、どのようなキャンパスライフが待っているのかと心躍らせているのですが、しかしそこには1つ、にわかに不安な要素があるのです。今回茂木先生にご相談させていただきたいのは、簡潔にいうと大学生活をどのように、どんなことをして送れば良いのか、その一点に尽きます。やりたい研究、学びたい学問はとうの昔に定まっている僕ですが、しかし、自分のやりたいことだけで貴重な大学生活4年間を過ごしてしまって良いのかどうか。TOEICやTOEFL(話の筋からは少しズレますが、どちらを受験しようかどうかも迷っています。ぼくは日本の企業への就職を考えていますが、留学にも興味があります。こちらも並行してお答えしていただけると大変嬉しく思います。)を受験しなければならないのはもちろんのことですが、そのほかにやっておかねばならぬこと、やっておかねば後悔することが、とんと検討つかぬのです。茂木先生の率直なご意見で構いません。もし、茂木先生が、もう一度学生をやり直すとすれば、ご自身はどのような四年間を送られるでしょうか?回答をお待ちしています。
ご回答。
大学合格、おめでとう!
とても素敵な日々が待っているものと思います。わくわくしますね!
文面からも、ちゃんと考えて慮っていることが伝わってくるので、だいじょうぶでしょう!
TOEICやTOEFL も、ぼくは個人的にはTOEICは嫌いだけど、受けたらいいと思います。(どうでもいいことは世間に合わせる by 小津安二郎)
その上で、ぜひ、ロマンティックアイロニーを実践してください。
大学時代、いろいろ忙しいと思うけど、ぶらぶらふらふら歩いて考える時間がふりかえると一番大切なのです。
翌日学校へ出ると講義は例によってつまらないが、室内の空気は依然として俗を離れているので、午後三時までのあいだに、すっかり第二の世界の人となりおおせて、さも偉人のような態度をもって、追分の交番の前まで来ると、ばったり与次郎に出会った。
「アハハハ。アハハハ」
偉人の態度はこれがためにまったくくずれた。交番の巡査さえ薄笑いをしている。
「なんだ」
「なんだもないものだ。もう少し普通の人間らしく歩くがいい。まるでロマンチック・アイロニーだ」
三四郎にはこの洋語の意味がよくわからなかった。しかたがないから、
「家はあったか」と聞いた。
「その事で今君の所へ行ったんだ――あすいよいよ引っ越す。手伝いに来てくれ」
「どこへ越す」
「西片町十番地への三号。九時までに向こうへ行って掃除
をしてね。待っててくれ。あとから行くから。いいか、九時までだぜ。への三号だよ。失敬」
与次郎は急いで行き過ぎた。三四郎も急いで下宿へ帰った。その晩取って返して、図書館でロマンチック・アイロニーという句を調べてみたら、ドイツのシュレーゲルが唱えだした言葉で、なんでも天才というものは、目的も努力もなく、終日ぶらぶらぶらついていなくってはだめだという説だと書いてあった。三四郎はようやく安心して、下宿へ帰って、すぐ寝た。
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脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします。
よくある相談項目を集めて、回答した本です↓
『すベての悩みは脳がつくり出す』