810回

よしえもんさん
こんにちは。
大学で宇宙物理学を学んでいる学生です。
中2病の再来に悩んでいます。
物理学を勉強しているからなのかもしれませんが、最近夜になると死や、意識、時間や空間の概念などに考えを巡らせては途轍も無い漠然とした恐怖に襲われてしまいます。物理を勉強しているとどうしても決定論的な考え方に陥ってしまいがちな気がします。例えば、複雑系の極みであるような人間でさえもプログラムに沿って動いているだけなんだ、などと考えてしまうと急に世界から色が無くなるような虚無感が押し寄せてきて、ウイスキーを飲んで無理矢理寝ると言った感じです。ペンローズのような意識や脳を科学的に考察した本を読んだりするのですが、恐怖は緩和されるどころか増している気がします。知的欲求と恐怖が入り混じったような状態な気がします。脳科学などを毎日研究されている方は頭がおかしくなってこないのかなとさえ思います。茂木さんはこのような感じを経験されたことがありますか?あるとしたらどのように乗り越えたのかお聞かせ下さい。

ご回答。

宇宙のことにせよ、意識の現象学にせよ、この世の成り立ちの根本について考えていると、ある種の究極のリアリティのようなものが押し寄せてくるのだと思います。

それは、ふだんの生活の中ではごまかしているもので、しかし、考え詰めていくと、逃げられないものである。

だから、そのようなリアリティから逃げずに、いっそ受け入れてしまうと、その受け入れたことが日常になって、そこからもう一度ものを考えられるのではないかと思います。

 ひとまわりした達観というか、平穏の境地とでもいいましょうか。
 そうなると、一つのメリットとして、世間で大切だと言われていることに、あまり左右されなくなると思います。

nounandemo
 
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