雑談その5。



 ダミアン・ハーストは、ターナー賞を受けた輪切りにした牛で有名になったけれども、他にもいろいろなものをつくっていて、たとえばドットペインティングがある。


 ぼくが時々行くロンドンのレストランにも、ダミアン・ハーストのドットペインティングがある。


 よく知らないけれども、ハーストのスタジオにはたくさんの人が働いているらしい。


 現代アートの作家は、ある程度工房的というか一定の数の作品をつくる体制をつくっていて、その量を供給しないと、作家としての存在感というかスタンプを押せないようなシステムになっているらしい。


 だから、ダミアン・ハーストのドットペインティングは、ある程度の数がある。


 数年前だったか、テート・モダンでハーストの大規模な展覧会があって、そこにもドットペインティングがたくさん出品されていた。


 他にも、錠剤をモチーフにした作品もあった。


 並べて見て、ドットペインティングは、現代社会における錠剤的なものへのメタファーなのかな、と思った。


 色とりどりで、きれいで、工芸的な精度も高い。


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