雑談その4。




 高校一年で行った初めての外国は、バンクーバーだった。

 その時、ジムとヴァーナのおうちにお世話になって、仲良くなって、再び行くことができたのは大学生の時だった。


 ヴァーナの友人で、バジルとウェンディがいて、南アフリカから移住して来た人たちだった。結婚したてで、聞いたら、一年間新婚旅行をしていたとかいうのでびっくりしてしまった。


 一年間新婚旅行!


 ウェンディは当時カナダにあったCPエアというところで働いていて、バジルは肉屋さんをしていた。


 ウェンディは妖精みたいな雰囲気の人で、バジルはごつごつしていた。


 ある日、みんなでクィーンエリザベスパークを歩いていたら、ウェンディが突然足もとのキノコを拾い始めて、これも食べられる、あれも食べられると集めた。


 それから、バジルの家に帰って、おいしいキノコパスタをつくってくれた。


 食べられるキノコを見つけられることにびっくりしたり、尊敬した。何よりも、普通に歩いていて、突然さり気なくキノコ拾いに移行する、その自然な流れに感動した。


 それから何年か経って、ウェンディが病気になったとヴァーナから聞いた。癌のようだった。ウェンディは若くして亡くなってしまった。


 バンクーバーで万博があった時、新しくできたアイランドみたいなところで、バジルに久しぶりに会った。相変わらずゴツゴツしていた。


 その時、生まれて初めてアボカドを食べた。

 おいしいなあと思いながら食べて、そして、ウェンディがつくってくれたキノコパスタの味を思い出した。


ウェンディキノコ.png