須藤凜々花さんが芸能界を引退されて、大学進学を目指し、さらには「哲学者」になることを夢見ていらしゃるとのこと。

 すばらしいと思います。
 応援したいです。

 私は、アイドルを経験した人にしかできない哲学があるように思うのです。
 人に「見られる」こと、夢をいだき、夢を与えること。人気というふしぎでつかみどころのないもの。現代のメディア状況。歌やおどりなどのスキルを向上させていく鍛錬。ファンという「鏡」に映った自分。

 そのような経験が、直接的、間接的に、哲学者としての須藤凜々花が考えることにつながっていくと思います。
 
 こんなことを考えるようになったのも、東浩紀さん(哲学者、思想家、作家)の発言を見ていて、東さんのように会社(ゲンロン)を「経営」するという立場に置かれている人でないと考えられない思考の身体性のようなものがあると実感したからです。

 「哲学者」というと、大学で教えていたりすることがその「身体性」であることが多い。もちろんそれはそれで一つの思想の味に結実するのだけれども、東さんのユニークな価値、突き抜けているところは、そのような大学教員とは異なる「身体性」にある。

 須藤凜々花さんが、これまでの経験を活かされ、深められ、「哲学者・須藤凛々花」としてユニークな思想とともに戻ってくることを楽しみにしています。

(クオリア時評)


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