今朝の7時のニュースのラインアップを見ていたら、相変わらず国内向けの「ほのぼのニュース」や、社会部ネタの事件以外は、北朝鮮、韓国、中国などの近隣諸国に対する緊張感や不信感を煽るようなネタばかりなので、あきれてしまった。
これは、最近のNHKニュースのラインアップについて、何人かの人が時々もらしている感想で、たとえば韓国との関係でいえば対立や緊張感を煽るニュースしか流さない。

ふしぎな「報道」機関である。

これが、たとえばアメリカで、トランプさんが壁をつくっているときに、CNNや三大ネットワークが、連日、「メキシコから大量に移民が押し寄せている」とか、「メキシコからの不法移民がふたたび逮捕されました」みたいなニュースをやっていたら、「おい、アメリカのテレビ、だいじょうぶかよ、どうしちゃったの?」と思うだろう。

FOXだったらやるかもしれないけど、NHKはFOXのようにあからさまではないからむしろタチが悪い。

本人たちは「真面目」にニュースネタを選んでいるつもりなんだろうけれども、その「真面目」が今の日本の中で、特に「政権」とのいざこざを起こさないという範囲内でのいわば悪しき学級委員的な真面目さなので、ジャーナリズムに本来必要な批判的精神や自由闊達さが全くない。

近隣諸国との緊張や対立をマイルドに煽っていればとりあえずNHK報道は文句を言われない(誰から?笑)というような評価関数の中で「最適化」を図っているようにしか見えず、国際的な水準のジャーナリズムから程遠い現状に、唖然としている。

ニュースを読まされるアナウンサーの方々がお気の毒だ。

イエメンの内戦や、シリアからの撤退や、イギリスのEU離脱の問題などもやらない。

NHK報道の視程の短さは、もはや謎である。
残念としか言いようがない。

コロンビア大学のジャーナリズムの大学院に年間10人ずつ送り込むようにしたらどうだろう。

(クオリア時評)


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