NHKニュースが政府広報みたいだ、みたいな意見はツイッターでよく目にする。


 安倍首相の動きや、菅官房長官の会見を伝える際のスタンスが、「政府広報」みたいだというのである。


 おそらく、こういうことだと思う。


 NHKは、できるだけ、事実をたんたんと伝えようとしているはずだ。


 ところが、「政府は消費税をこうすることにした」とか、「こういう見解を示した」という事実を、たんたんと伝えると、実はそれが「政府広報」になってしまう。


 じゃあ、どうすればいいか。


 ぼくが見聞きしている限り、BBCのテクニックはこうだ。「メイ首相がEU離脱について、こういう方針を示しました」というニュースと伝えた後で、短く、労働党のコービン党首の反応や、EUのコメントを伝える。


 そのことによって、単なる政府広報ではなく、立体的な、オプエド的構成になる。


 肝心なのは、立体的なコメントを伝える「尺」は、ほんとうに短くていいということで、5秒か10秒くらいでいい。


 もちろん、NHKも、野党や各界の反応を伝えることがあるが、そうしないケースが目立つので、「政府広報」みたいになっちゃうんだろう。


 ちなみに、「街の反応」みたいなのを伝えるのは、ほとんど情報量がないのでやめた方がいい。


 あくまで、野党や、EUのような機関など、ステークホルダーの発言を伝えるほうがニュースバリューがある。


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