連続ツイート2168回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は「履歴書に穴が開くって、なんですか?」について。


日本は、世界的に見ていろいろな点に良いことろもある。例えば、金継ぎとか、わびさびとか、おまかせとか、本当に注目されていることがある。その一方でどうしょうもないこともたくさんあって、その多くは、これらの日本の良いところと全く関係ない。だから直した方がよい。


どうしようもないことの一つが、「履歴書に穴が開く」というわけのわからない価値観で、昔赤塚不二夫の漫画で、飼い犬が野良犬にぼくだって自由になりたいとか言っていて、首輪がはずれるとあわてて自分でつけるのがあったが、同じことが日本では起こっている。誰も疑問に持たない


そもそも、大学在学中に就活をして、3月に卒業して4月から「切れ目なく」「組織から組織に申し送りで」人生が移っていくのが当たり前でそこから外れた人は異常だと信じている感性の方が異常である。履歴書に「穴」が空いて、何が問題なのか? そこに真空があって吸い込まれちゃうとでもいうのか。


今巷を騒がせている医学部入試における「多浪」差別にしても、そもそも高校卒業後N年目の人はN年間「浪人」しているという前提自体が異常なのであって、そんなことを仮定して平気でいる大学関係者のアタマは、絶望的なほど貧弱だと断言してよいだろう。


高校を出て、何年か働いて、あるいはふらふらして、あるいはバンド活動をして、あるいはボランティアをして、あるいは何もしなくて、N年目に大学に入る気になったって全然良いし、それはN浪では断然ないし、単に人生の多様性であり、それを想定できない人は単にアタマが貧弱なだけだ。


日本には資源がなくて、唯一の資源は人間で、生き方に多様性や柔軟性を認めないと、付加価値を生み出せない。日本の停滞や衰退は、偏差値入試や、新卒一括採用、履歴書に穴があくとまずいといった貧弱な世界観、価値観とマクロには相関していると私は分析していて、だからこそずっと主張している。


一番意味がわからないことの一つは、新聞やテレビなどのレガシーメディアが、新卒一括採用や多浪生差別のことを報じるときに、そもそもの前提がおかしいということを指摘しないでその前提を共有していることで、そもそもメディア関係者のアタマが貧弱なのだろうと推定せざるを得ない。


若い世代に強く訴えたいことは、「履歴書に穴が開く」という貧弱な大人たちの価値観はガン無視していいから、自分たちの好きなことを自由に追求して欲しいということ。それで人生を成立させている人なんてたくさんいるし、そういう人が出ないと、日本は発展できない。履歴書に大いに穴を開けよう。

以上、連続ツイート2168回「履歴書に穴が開くって、なんですか?」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。


補足。破壊的イノベーションを起こすような人材は、当然のように履歴書にたくさん穴が開くのが普通だから、日本で履歴書に穴が開くのを忌避しているということは、つまり破壊的イノベーションを忌避しているのと同じだ。


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