連続ツイート2166回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は「NHKニュースはどうしたらもっと良くなるのか」について。


朝はBBC radio 4をかけていて、画面だけNHK総合のニュースを見ている(なにか特別なニュースがあったら音声を出す)。それ以外の時間帯にも、NHKニュースがかかっている場面に出くわす。そして、ニュース価値の判断や報道の仕方が、ぬるいと感じることが多くなった。


NHKニュースが変わったとか、劣化したということではなく、時代の流れとともに状況が変わって、また、周囲の景色も移って、NHKニュース、ないしはNHK的なものが、時代遅れになったというか、足りなくなってしまったということだと思う。これは周囲に聞いても同意見なので、おそらくそうなのだ。


NHKニュースのエーソスは、「中立」「公正」ないしは「最大公約数」なのかもしれないが、それが全く足りなくなってしまった。結果として、言い方は申し訳ないが、その内容が国際性もなく、批判的精神もなく、お茶の間のぬるま湯につかっている人向けのものになってきてしまっている。


甲子園とか、プロ野球のドラフトとか、歌手の引退とか、そういう、比較的論争的ではないネタだとか、あるいは首相の記者会見とか、そのようなことを何の論評もなしにただ流すという印象が強い。それでは、NHKニュースは現代の日本における情報ソースとしては全く足りない。


今、国際的に大問題になっている、トルコのサウジアラビア総領事館でのワシントン・ポストの寄稿者の失踪事件について、NHKニュースはどれくらい伝えているのか。特に「お茶の間向け」の印象が強い朝7時のニュースなどが、ゆるいネタを並べている傾向が強く、深掘りして触れていないように思う。


今の若い世代は地上波テレビなど見なくて、ネットで勝手に情報を集めていく。だから、NHKニュースの比重も低下しているとは言える。しかし、日本人の平均的なリテラシーの質の担保にNHKニュースが果たす役割は大きいはずで、今のままで良いとはとても思えない。


全体として、「街の話題」とか、「ほのぼのニュース」の割合は下げていいから、もっと論争的な、批判的思考から切り取ったニュースを取り上げないと、ジャーナリズムとして全く足りない。また、政府の見解をそのまま伝えるだけでは、ただ眠いだけ政府広報番組になる。


NHKニュースに限らず、日本の地上波文化の最大の病気は、視聴者のレベルを勝手に低く見積もっていること。そんな、猫なで声のぬるいメディアに飽き足らない若者たちは、それぞれネットに潜り、深掘りしていく。テレビが見捨てられないためには、よほど思い切った意識改革が必要だ。


以上、連続ツイート2166回「NHKニュースはどうしたらもっと良くなるのか」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。


補足。メディア関係者は、よく、視聴者のレベルに合わせているとうそぶくが、それこそ勝手な思い込みだろう。メディアはコミュニケーションで、高度な議論が行われている現場を見るという劇場効果もある。地上波は公共の財産で、それがどう使われるかは日本の将来に重大な影響を与える。


連続ツイートまとめ.png