連続ツイート第2121回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「ちびまる子ちゃん」について。
『ちびまる子ちゃん』が彗星のように現れ、話題になり始めたとき、私は大学院生だった。さっさく単行本を買って読み、大好きになった。TVアニメも始まり、『おどるポンポコリン』が大ヒット。さくらももこさんは、一躍、時の人になられた。
誰もが『ちびまる子ちゃん』の話題を口にし始めてしばらくして、日刊ゲンダイか、夕刊フジのどちらかの一面に「私がちびまる子」というタイトルでさくらももこさんのインタビューが掲載された。記事を拝読して、あたたかい、心がおおきくて、素敵な人なんだと感じたのを覚えている。
世の中の時間は経ち、人々も変わっていくけれども、『ちびまる子ちゃん』の世界は、ずっと変わらない。ともぞうじいさんも、おとうさんのひろしも、おねえさんのさきこも、おかあさんのすみれも、みんな年がかわらないで、ずっと同じ空間にいる。それは幸せの一つの原風景である。
世の中は変わり、人も変わっていくのに、ちびまる子ちゃんの世界では、さくらももこはずっと小学校3年生のままで、ともぞうじいさんもずっと元気でいる。それが作品だと当たり前のように思ってしまうけれども、実際の人生のことを考えると、奇跡なことだ。
ずっと変わらない、『ちびまる子ちゃん』の世界、幸せの原風景を生み出したさくらももこさんの人生の時間はどんどん進み、そしてさくらももこさんはご逝去された。あまりに若い。そして、さくらももこさんと同じように変わっていく時間を、私たちは生きている。
『ちびまる子ちゃん』の世界では、これからもずっと、ももこは小学校3年生のままで、ともぞうじいさんもお元気で、私たちによろこびと幸せを与え続けてくれるだろう。素敵な作品を生み出してくださったさくらももこさんに心からの感謝を捧げるとともに、さくらももこさんのご冥福をお祈りいたします。