679回


愚か者さん


茂木先生こんにちわ。ぼくは読書が好きで、それに伴って英語や現代文といった科目は得意です。しかし、数学や物理は苦手です。でも、茂木先生が紹介してくださった無限集合論やゲーデルの不完全性定理について書かれた本は面白いと感じたので、できれば物理や数学も理解したいです。だけど、どうしても学校で教わる物理や数学は面白くないし、苦手です。ここで質問なんですが、ぼくは数理的な思考には向いてないのでしょうか?それとも、訓練すればある程度までいけるのでしょうか?茂木先生は英語だけができるやつと英語はできないけど数理的能力がが高いやつがいたら、後者を選ぶと仰っていたと思います。そして、ぼくもそう思います。実際、THE世界大学ランキングのトップ校はほとんどが英語圏であり、彼らは当たり前のように英語を使い、その上で学問をしています。英語ができるなんてのは自慢にもなりません。そう思うと、自分がゴミのように感じられてきて、茂木先生がいつも仰っている「日本の大学終わってる」というのが実感として分かってきた様な気がします。でも、選択肢として日本の大学に行くしかないなと思うと、また絶望します。茂木先生の回答が聞きたいです。(男子・高校2年生)


ご回答。


読書が好き、というのはいいね!

そして、数学の真髄が好き、というのもとてもいいと思います。


そして、日本語や英語で何かを読むということと、数学は無関係ではないです。


言語も自然現象である以上、その背後には何らかの数学的構造があるはずです。


特に、意味論の背後に(文法構造の背後に数学的秩序があるのはトリビアルなことなので)。


その意味で、たとえばJames Joyceの小説のどれかを、お守りとして持っていることをおすすめします。


自然言語で物語を綴る人の中で、もっとも背後の数学的秩序に近づいた人だと思うから。


愚か者さんは、賢いと思います。


言語や、数理、学校状況に関する文脈を、正確につかんでいるので。

これが出発点です。


好きな方向に歩んでいってください! 一歩一歩を楽しんで!


nounandemo
 
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