ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』は、気づいた時には古典の位置を占めていたというか、みんな共通理解としてあれは凄い、熱狂、みたいな感じで、それで、いつの間には織り込み済みになってしまったというか、もちろん断片的に知っているし重要な部分はわかっているのだけれども、「本」としてはちゃんと読んだことがなかった。


アメリカにできた、授業料無料のプログラミングを教える大学、「42」は、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の中の有名なエピソード、宇宙の究極の問いに対する答えをスーパーコンピュータが750万年かけて計算して、その回答が「42」だった、というのに基づいている。


先日、イーロン・マスクがファルコン・ヘビィでテスラのロードスターを打ち上げた時、ダッシュボードに『銀河ヒッチハイク・ガイド』の有名な文句「Don't Panic」(パニックに陥るな!)が書いてあったというニュースがあって、それで、ああ、と思い出していたこともあった。


それで、ついこの間、集英社のウェブの連載原稿(『我歩くゆえに我あり』)を書いていて、何とはなしに『銀河ヒッチハイク・ガイド』のことに触れたら、それをきっかけにものすごく気になって、ついに英語のキンドルで読み始めてしまった。




おお!という感じで、面白い。


きっと、無意識が今『銀河ヒッチハイク・ガイド』を必要としていて、それが自分の書くものの中に登場するというかたちで表れたのだろうけれども、自分がインプットとして必要としていることが、アウトプットとして出てくるという機微が興味深いと思った。


(クオリア日記)



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