ホームに立っていたら、となりにいる人が、突然大きな声で、「ホッカイドウシンカンセン!」と言った。


しかも、なんというか、外国語のアクセントで言った。


「北海道新幹線?!」


むむむ、なんだなんだ、と横を見たら、アジア系の方が、例のイヤフォンで話すタイプの通話をしているのだった。


マイク付きイヤフォンによる通話は、外国では数年前から良く見ていたけれども、日本ではまだそんなに一般的ではなくて、ただ、時々いらっしゃって、そんな時は「ひとりごとじゃなかったのか!」と毎回驚く。

「ホッカイドウシンカンセン!」と言われた、文脈がわからないその不思議な時の隙間に、なぜかペパーミント色の風がさっと吹いたような気がして、ぼくは、暑い日だったけど涼しくなったなあと喜んだのだった。

(クオリア日記)


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