第５４３回。
いーぬーさん
両親から生命力を削られています。
茂木先生
こんにちは。
23歳の大学生です。
誰に相談すればいいのか分からず、途方に暮れています。
是非ともここで働きたい！と思えるバイト先を見つけたのですが、両親から難色を示されました。バイトを始めるにあたって、私のマイナンバーのコピーをバイト先に提出しなければならないのですが、両親がこれをどこかに隠してしまいました。私は「親とはいえ、子の個人情報を好き勝手にしていいはずがない。私の個人情報は私のものであるから、隠さずに渡してほしい。」と言いましたが、「そんなことは知らない。」「大切に保管しているだけだ。」と、全く応じません。彼らのやっていることが明らかに間違っていることは私も十分承知しておりますし、冷静に対話する努力もしておりますが、両親は思い通りにならないとすぐに癇癪を起こし、大きな声で威圧的に私の話を遮り、コミュニケーションを取ることが不可能な状況です。
もう成人なのだから、いちいち親の機嫌を気にして行動する必要などないことは分かっていますし、仮に殴られても大声で怒鳴られても大したことではない、ということも分かっています。しかし、小さな頃からこのように虐げられており、23歳になった現在でも、父の溜め息や母の小言が聞こえるだけで身体中から血の気が引き、日々生きる力が逓減していくようです。
病院では自律神経失調症と診断され、たくさん食べても体重は減る一方です。酷い冷え性にも悩まされています。私のこの状態を見た父は、「お前は今精神が不安定だから、バイトなんかしないで家にいたほうが良い」と言いますが、私の精神状態は極めて正常ですし、万が一、私の精神がオカシイとしたら、原因は両親と共に過ごすストレスフルな今の暮らしにあると思うのです。
知人に相談したところ、早めに家を出たほうが良いと言われ、もちろん、できることならば私もそうしたいのですが、今回のマイナンバー隠し騒動ですっかり疲れ切ってしまい、絶望で前が見えません。対話が不可能な人と対話をしようとするのは本当に苦しいです。しかし、ここでこのバイトを諦めてしまえば、言われるがままに過ごしてきたこれまでの日々にまた戻ってしまうようで怖いです。
せめて、また一歩踏み出し、動き出す気力を取り戻したいです。
読んでくださってありがとうございました。
ご回答。
いーぬーさんは、成人されているわけですから、筋としてはマイナンバーの管理などはご自身でされるべきだと思います。
ご両親と同居しているなど、まだお世話になっているという事情があるにせよ、ご両親のやり方は行き過ぎでしょう。
いろいろご苦労があると思いますが、ご両親の個性をメタ認知するというのは、重要な成長課題でもあります。
ご両親には、欠点もあるのでしょうが、もちろん良いところもあり、それが一体となったものが個性です。
マイナンバーを隠す、というのは欠点ですが、その一方でご両親の良いところもたくさんあるはずです。
その全体を、バランスよく見るようになさってください。
また、マイナンバーのカードは、再発行などの手続きもできるはずです。
両親は変わらないものと仮定して、その前提のもとに、自分が行きたい方向に少しずつ進む、実際的な方法を考えるのが良いのではないでしょうか。
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