中心を外さずに。第94回。


 仮想通貨は、ブロックチェーンという本来人間の欲望に対して中立的な技術で、欲望の対象そのもの(通貨)をつくることで爆発的に普及した。
 
 しかし、そこに限界もあるように感じる。

 ブロックチェーンが人間の欲望に対して直角に交わるネットワーク分散型の記録や共有に使われれば、本来の役割を果たせるだろう。

 仮想通貨というアプローチの現状における根本的な脆弱性は、異なる通貨を誰でもつくれるということで、つまりシステム全体として発行量の上限がなく、持続可能ではない。

 結局、仮想通貨は何らかの中央的主体(それが国家なのか、国家間組織なのかわからないが)によるコントロールがなければ、システムとして維持できないと考える。



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