子どもの頃、寄席にかよっていると、林家彦六師匠がほんとうに素敵だった。

なんとも言えない喋り方、そして表情で落語を演じた。

とても存在感のある方だったので、亡くなったあとも、寄席で彦六師匠のことが話題になることが多かった。

その中でも私の好きなエピソードは、若手が師匠にアーモンドチョコレートを差し上げたら、彦六師匠が口にいれてもぐもぐ食べて、そのあとで、「ばかやろう、種があるじゃねえか」とおっしゃったというやつ。

現実なのかフィクションなのかわからないが、複数の落語家さんがやられていたと思う。

昔気質の、ほんとうに素敵な彦六師匠とアーモンドチョコレートの出会いである。


(クオリア日記)


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