中心を外さずに。第64回。

 ヴァージニア・ウルフのTo the lighthouseを読んでいるけれども、なかなかにふしぎな小説である。
(英語の文章は基本的に翻訳は読まず、原文で読む。高校くらいから。)
 Modernism小説と言われるけれども、その意識の流れ(stream of consciousness)にのって移り変わっていく感覚が、自分の中で次第に潮流のように確かなものになっていくのが面白い。

 しかし、世界体験というものはもともとそういうものなのだろう。

 漱石の『三四郎』と同様、肖像画が出来上がっていくプロセスでもある。
 浮世離れするにはちょうどいい。


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