中心を外さずに。 第38回

 オリンピックについていろいろ言う方がいるけれども、ぼくは基本的に賛成だ。
 お祭りなのだし、アスリートにとっては一つの極めて高い達成の場だから、みんなで応援したら良い。
 
 ただ、オリンピックの「本質」を見極めて、そこから外れないようにすることが大切なのだろう。
 その「本質」の一つに、国家主義からの自由ということはあると思う。
 今回の平昌オリンピックにロシアが国として出られないのはドーピング問題で仕方がないが、選手が「五輪旗のもとに」出られるといった柔軟な対応は支持したい。

 リオオリンピックでも、難民の方々の選手団があった。

 あのような、単純な国家主義を相対化する動きは、大いに歓迎したい。
 表彰式で国旗が掲揚され、国歌が流れるというのは当分変わらないだろうが、もしオリンピックが(そして人類が)100年後も継続しているのならば、ひょっとしたらその光景も変わっているかもしれない。


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