中心を外さずに。 第30回


 ぼくがTOEIC撲滅派なのは、何よりも、TOEICが扱っている英文が陳腐で砂を噛むようだ、ということにつきる。


 ビジネスは、本来、幅広い教養に裏付けられなければならない。シェークスピアやディケンズを読むとか、あるいは最新のAIやブロックチェーンの勉強をする、というのならばわかる。なぜ、あのような無味乾燥な英文を読まなければならないのか。


 そもそも、英語力は話したり書いた文章を読んだりすればわかる。日本企業がTOEICに頼るのは、つまり自分たちには判断する能力がないということだろう。

 

 それにしても、ただでさえ忙しいビジネスパーソンが、あのような意味のない試験の対策で勉強しているというのは、頭脳のCPUタイムの壮大な無駄である。


 大学入試でTOEICを採用することには反対である。そもそも、大学入試にはペーパーテストは要らないと思う。やるとしても、SATのような、情報処理能力や思考力を見るテストで十分だ。


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