中心を外さずに。 第20回
日本のメディアの方々はがんばっているのだと思うが、「記者クラブ」という制度自体は、誰がどう考えても正当化できるはずがない。
フリーランスだろうがなんだろうが、一定の手続きを経て取材をできるのは当たり前のことで、その原則がわからない、あるいはわからないふりができるというのはジャーナリストとして根本的に失格である。
事実自体を報じることも大切だが、それをどう解釈し、分析するかがジャーナリズムに求められている。
そんな時に、そもそも自分たちが「記者クラブ」という既得権益の中にいて、それを恥じない、ということ自体が、分析や解釈の正統性を毀損する、ということくらい、普通に考えればわかるはずだ。
私がもし新聞やテレビの現場にいたら、以上の理屈を即座に悟って、仲間たちや組織に、記者クラブ制度の解体を訴えるだろう。
それがメディアの内部から起こらないということは、日本のジャーナリズムに対する信頼感を根底から毀損していると思う。
ちなみに、記者会見をする政治家側がフリーランスの記者たちを入れないのは論外で、これは、政治家として失格なのは言うまでもない。