第404回

アサニゲさん

何をしても長続きしません。徒労に終わってでもやりたいことが見つかるにはどうしたらいいですか。

私はアサニゲ、20代の関西在住の男性です。身体にわりとヘヴィーな障がいがあり、現在は無職ですが図書館司書の資格取得を目指し母校の大学に通っています。

先日小説家の高橋源一郎さんが、新聞の人生相談コーナーで、「努力して報われなくても、やっぱりやりたい。そういうものを見つけてください。」とおっしゃっていました。
その発言を見て、僕は何もないなと思い情けなさで一杯になりました。

唯一好きな人に対しては燃えることができます。こっちを向いてはくれなくても相手が好きで、喜ばせるよういろいろ考えてやることは好きで自信もあります。しかしそのこと以外は、報われなくてもやりたいと思えるようなことはありません。

今まで、部活や勉強などそれなりにやってきましたが、評価されたい、認められたい、ナメられたくないという気持ちが強かったです。だから、あまり上達せず長続きしなかったのかもしれません。
邦楽ロックであったり絵画が好きだったりと楽しいと思う事柄は多く、やる側にたったこともありますが、汗水流すほどやろうとは思えませんでした。
今の図書館司書の勉強も、資格を取り職にありつくためにやっているという感じで、報われなくてもやりたいのかと問われたら黙ってしまいます。

消えない情熱を持ち、社会に対して創造するようなことは、たとえ報われなくてもかっこいいなと思いますし、そういう人生を送りたいです。
報われなくても努力できるようなことを見つけるにはどうしたらいいですか。人生の先輩、茂木先生ご教授お願いします。

ご回答。

チクセントミハイの「フロー」の考え方の核心は、行為を、それが何らかの報酬をもたらすからではなく、行為自体がよろこびであると感じて集中するということです。

人に認められたり、評価されたりするのではなく、それに携わること自体がよろこびになるとき、人は最大の学び、パフォーマンスをすることができるのです。

そのフローの対象が、特定の一つではなく、複数の「ポルトフォリオ」からなることも十分にありえます。

一つのことに焦点を当てる必要は、必ずしもありません。中途半端に感じられても、その中途半端自体が、その人らしさであれば、それでいいのです。

肝心なのは、今、ここの行為に没入することです。


nounandemo
 
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