「教育困難大学」についてのネットニュースを見ていて、根本的な違和感を抱いた。

相変わらずAO入試と学力不足を結びつけているが、本来すべての入試はAO入試になるべきだとかねて主張している。ペーパーテストの点数が「学力」であるという学力観、それと関連した「偏差値」の価値観自体が時代遅れであり、それを主張する者の稚拙な知性観の暴露に過ぎない。

本来、active learningや探求学習では、「落ちこぼれ」という概念が(定義上)存在しない。標準化されたカリキュラムを、教師都合のペースで進めていく古いやり方では「落ちこぼれ」が生まれるが、それはシステムの失敗であって、学生の失敗ではない。

学力低下や、教育困難を嘆く筆者の方が時代遅れの学力観にとらわれているということに気づかない限り、日本の教育の根本的な改善は望めない。


中心を外さずにcloseup.png