第392回

Kosukeさん

機械工学を専攻している大学4年です.

はじめての言語の学習について質問です.

私事ではありますが, 来年度より1年間ベルギーの会社でインターンシップをする機会を得ました. 今回仕事は英語でできるということですが, ベルギーではオランダ語やフランス語が公用語として話されているようです.

英語については, 茂木先生が日々英語学習に関して発信されている内容も大いに参考にさせて頂き, 特に大学に入ってからの数年間は数度の短期留学を経験する以外にも, BBCやCNN, TEDを視聴したり, 英語で情報を検索したりする等, 英語「で」勉強するという意識で楽しく学習を続け, 段々とうまくなってきた実感があります.

このせっかくの機会に, オランダ語やフランス語にもゼロから取り組んでみようと思っているのですが, 今の段階で文字通り何の知識もない状態です.

英語について上の様な方法で学習ができたのは, 中学・高校での(ある意味退屈な?)受験勉強向けの学習で身に付けた基礎力のおかげで, はじめからそのような実践的な教材をある程度理解し, 楽しめるレベルにあったという側面もあると思っています.

このようなことも含めて, 自身にとって全くはじめての言語について, どのようにその学習をスタートしてみると良いかアドバイス頂きたいと思っています. よろしくお願いします.

ご回答。

まず、機械工学、とてもおもしろいことを勉強されていますね。すばらしい!

そして、インターン、おめでとうございます。
ベルギーは、さまざまな独自の文化があるし、ヨーロッパの一つのハブでもあり、楽しい経験ができると思います。
たのしみですね!

さて、新しい言語の習得ですが、母語のケースを考えればわかるように、ゼロから、単にたくさんの事例に接すること(大人たちが会話するのを聞いていること)で習得するブートストラッピングの方法があります。

この方法は、たくさんの暗黙知(ビッグデータ)に支えられていて、実際に話し始めると、なめらかな豊かな発話につながります。一方で、明示的に話し始めるまでの「サイレントピリオド」が長いです。
一方、すでに母語という土台があるので、その母語を通して新しい言語にアプローチすること(翻訳による補助や、文法の知識を習得すること)でも、習得が可能です。日本の学校英語がそうですね。

これはこれで有効なのですが、一方でブートストラッピングのような暗黙知(ビッグデータ)がないので、発話がなめらかで豊かになりません。

このように、それぞれの手法には利点と欠点があります。
両方を組み合わせるのが有効でしょう。

いずれにせよ、たくさんの事例に接して暗黙知(ビッグデータ)を蓄積することは大切なので、大いにベルギーで現地の言語に接してみてくださいね!

そして、ベルギービール、楽しんでください!

nounandemo
 
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