第358回。

剣野舞さん

剣野舞、神戸市在住、20代の男子学生です。
心理学と図書館学を勉強しています。
体罰がありえない理由を脳科学的に教えてください。

先日テレビでとある芸人の方が、体罰がありえへん明確な理由を誰も教えてくれない、と疑問を投げかけていました。
昨今体罰について、ありかなしかで意見が分かれ、頻繁に議論されています。

私は気になったので調べたところ、体罰による指導を受けると、罰を受けることが条件づけされた人間になる、と心理系分野で研究されてると知りました。
つまり、罰や承認がないと目標に向かって頑張れない依存性の強い人間になるということです。それは、指導上の効果が疑問だなあと思います。
例え本人同士の同意があっても、受ける側の成長へは繋がらないです。子どもに対しては特に、「成功」よりも「成長」を第一優先にして指導はすべきだと思います。

茂木さんは体罰はありえへんと考えているだろうと、これまでの言論から推測しています。
体罰について改めてどうお考えか、その理由も脳科学を含めて教えて頂きたいです。

ご回答。

調べられたことは、ほぼ正しいです。

時代は、自発性や、個性、コミュニケーション能力を求めています。

体罰がもたらすものは、ある行為がNO GO(禁止)であるとか、ある人への服従、恐怖、あるいは秩序など、時代が求めるフレキシブルな能力とは無関係な認知能力だと思います。

テレビで、芸人さんがそのようなことを言って、体罰の是非が議論される、ということと、日本がイノベーションなどの世界の潮流から取り残されているということの間には、深い相関があると思います。

もっと、楽しく、わくわくして、自由活発な方向に社会のリソースを割り振り、子どもたちがその自由な空気の中で育つようになればな、と思います。


nounandemo

 
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