バスは、余裕がある時に乗ると楽しいですね。

都内某所を移動中に、バスが来たからつい乗ったら、なんかぐるぐる回って、病院とか寄って、のんびり行くみたいで、これはまずい、降りないと間に合わないと思った。
でも、運転手さんが、「なんでこの人は乗ってすぐ降りるんだろう」と不審に感じると思って、もう一つ、もうひとつと停留所を過ぎていたら泥沼にはまっていく感じになった(笑)。

人生って、何か、こんな小さなことで、取り返しのつかない破局を迎えたりするんじゃないだろうか。

女の人が降りたところで、「ああ、そういえば」みたいな感じでいかにも何か用事を思い出したふりをして降りた。

あぶなかった。

バスは、余裕がある時に乗ると楽しいですね。

昔、行きつけの居酒屋さんにバスが好きだった田中小実昌さんの「背中を押されて」という色紙があって、お酒をのみながらそれを眺めているのが楽しかった。

あの「背中を押されて」というのは、バスのことだと思う。

(クオリア日記)


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