NHKの報道のフロアには、独特の活気と雰囲気がある。
『国際報道2017』のスタジオがある一帯にも、心地よい緊張感と、たくさんの情報が飛び交っていた。


モニターが数え切れないほど並んで、その前に調整盤があるエリアは、報道の「神経」であり「筋肉」であるという気がする。

キャスターの花澤雄一郎さんは、アメリカに行く前は検察担当だったということで、鋭く分析するイメージと重なる。

増井渚さんは写真ではやわらかく笑っているけれども、スタジオで見るときりりとしまった表情になっていて、「国際報道」という番組のモードに合っているように見えた。

松岡忠幸さんは、事前にお話しできなかったのだけど、スタジオで拝見していたら、なんだか九州っぽいな、と思って、あとで見たら本当に長崎ご出身だったのでびっくりした。

ぼくがお話しさせていただいたのは伊藤穰一さんらが設立した「不服従賞」に関するコーナーだったけれども、もし、何らかの大きなニュースが飛び込んできたら、内容が大幅に変更になる、という緊張感の中でスタッフの方々は働いていた。

外国からの大きなニュースが飛び込んできた際は、ただちに原稿を書くべく記者さんたちは待機していて、キャスターは記者さんたちが書く原稿をそのまま横から出されて読むのだそうである。

私の放送は、終わり。
まだ、花澤さん、増井さん、松岡さん、そしてスタッフの方々は働いている。

西口玄関を出ると、夜の闇がやさしくつつんでくれて、今までいた場所が、情報の不夜城だったように感じられた。

(クオリア日記)


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