ハイサイおじさんさん

関西在住、20代、学生、男性です。

先日、茂木先生の『「すぐやる脳」の作り方』を読みました。
そして、先生に質問したいことがあります。 

他人を喜ばせるという行為が、どういう行為か分からないのです。相手の望むことをするということですか?

私は今まで他者(友人や家族)を喜ばせようと日々心がけてきたつもりです。サプライズとかよく仕掛けていました。でも最近、何が他者にとって喜びなのか分からなくなったのです。
そのときはその人の喜びでも、後から振り返ると邪魔なのかなとか、私の行為が、他者を堕落させてるのかなと思ったりします。
実際後になってから、あれは迷惑だったと言われたこともあります。

何が本当に相手のためなのかって、厳密には行為者には分からないと思うのです。そう考えると、他者を喜ばせるためには何をすれば良いのか分からなくなってしまいます。

私は重度の身体障がいがあり、可能なことは制限されています。だからこそできることをして周りの人々を喜ばせたいのです。喜んでもらえると私も嬉しいです。

周りの人々を喜ばせる行為とはどういう行為なのか先生の考えを聞きたいです。
また、どこを工夫、意識すれば喜びを生み出すことができるのか。
他者にとっての喜びを生み出すための参考になる本などがあれば、教えてほしいです。

ご回答。

とても本質的な、大切な問いだと思います。
たしかに、サプライズとかをしかける、という場合、ほんとうに相手のことを思ってやっているのか、それとも、サプライズをしかけていることが自分でうれしくてやっているのか、わからないことがありますよね。

サプライズのようなことは、直接的すぎるのだと思います。

他人のため、ということは、ほんとうは、もっと間接的で、相手に届くまでに「遅れ」があることなのではないかと思います。

それは、いわば、メッセージ・イン・ア・ボトルのようなもので、誰にいつ届くかわからない、というのが、良い利他性なのではないかと思います。

企業の方が商品をつくったり、サービスを提供したりという行為は、それに当てはまるかもしれません。いつ、どこで、誰に役立つかわからないけれども、役立ってよろこんでもらえた時に、利他性が完成するのです。

ハイサイおじさんさんは、重度の身体障がいがおありになるということで、ご苦労も多いかと思うのですが、何か、遅れて誰かに届くものをおつくりになるのはどうでしょう?

それは、必ずしも商品やサービスのようなものである必要はなくて、たとえば、今回書かれた文章を拝読していても、とても洞察力があり、感性の豊かな方だと思われますので、なにかブログのようなものを書いてみたらいかがでしょう?

すると、誰かが、それを、いつかどこかで見て、そのことで勇気づけられたり、感動したりすることがあったとしたら、その時に、メッセージ・イン・ア・ボトルが届いた、ということになると思うのです。

すばらしき人生を!


nounandemo

 
脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします。

『すベての悩みは脳がつくり出す』