honjoさん
Honjoです。都内の大学に通う22歳男です。
夢と現実の二者択一に迷うとき、どのように決断すれば良いでしょうか?
私は子供の頃から役者になりたいと思っていました。
しかし、親には高い学費を出してもらって高校、大学に入って迷惑をかけた後ろめたさや
「きちんとした大学に入って、将来は真っ当な勤め人になりなさい」と言い聞かせられてきた事から、
その夢を実際には追えないまま就職活動という現実に突き当たりました。
「新卒採用の機会を逃せば、苦しい生活が待っているかもしれない」
「でも、このまま就職すれば恐らくは一生夢を追わないまま老いていくのでは...」という考えの板挟み状態にあります。
現在のところ、決断を下せないまま就職活動をしています。
夢を追うリスクは百も承知ですし、企業勤めによる安定した生活の魅力もわかっているつもりです。
このような人生を大きく左右する決断を下すには、何を基準にすればよいのか
後悔しない選択方法があれば、知りたいのです。
駄文失礼しました。よろしくお願いいたします。
ご回答。
ご質問を読んで、以前河合隼雄さんにうかがった話を思い出しました。
筒井康隆さんの『モナドの領域』の文庫版の解説に書いたので、ここに引用します。
人生は長くて、ずっと後で、役者をやるということもあるかもしれません。
問題は、役者をやりたい、という夢が、どれくらいHonjoさんの中で強いものであるか、ということなのではないでしょうか。
今就職して、しばらく会社で働いて、いつかはわからないけれども、役者の世界になんらかのかたちで戻っていく、ということも、あるように思います。
問題は、Honjoさんの「夢」が、無意識の中で、どれくらい強く生き続けるかということなのではないでしょうか?
人生、そんなに二者択一でもないのですよ。
もう一つの人生は、無意識の中に、力強く存在し続けるものなのです。
人生、そんなに捨てたものではありません。
脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします
ご回答。
ご質問を読んで、以前河合隼雄さんにうかがった話を思い出しました。
筒井康隆さんの『モナドの領域』の文庫版の解説に書いたので、ここに引用します。
河合隼雄先生に、生前、こんなお話をうかがったことがある。
筒井康隆さんが、河合さんに、「先生、ぼくは、よく、人を殺す夢を見るんです」と打ち明け、どういうことかと相談したのだという。河合さんは、「ああ、筒井さん、それは、あなたは本当に人を殺したことがあるんですよ」と答えた。
筒井さんがドキッとして、戸惑っていると、河合さんは、「あなたは、過去に自分が行きたい道を諦めたことはなかったか」と筒井さんに問うたのだという。
それで、筒井さんは、思い出した。若い頃に、役者を夢見ていたのだけれども、事情があって、諦めた。そして、青春の断念を無意識のうちに押し込めて、すっかり忘れていた。そのことを言うと、河合先生は、「ああ、それですね、人殺しの夢は」と言ったのだという。
それからしばらくして、筒井さんは、役者もやられるようになった。すると、人を殺す夢を見ることがなくなったという。
人生は長くて、ずっと後で、役者をやるということもあるかもしれません。
問題は、役者をやりたい、という夢が、どれくらいHonjoさんの中で強いものであるか、ということなのではないでしょうか。
今就職して、しばらく会社で働いて、いつかはわからないけれども、役者の世界になんらかのかたちで戻っていく、ということも、あるように思います。
問題は、Honjoさんの「夢」が、無意識の中で、どれくらい強く生き続けるかということなのではないでしょうか?
人生、そんなに二者択一でもないのですよ。
もう一つの人生は、無意識の中に、力強く存在し続けるものなのです。
人生、そんなに捨てたものではありません。
脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします