「シャーロック・ホームズ」を書いたコナン・ドイルさんは、スピリチュアリズムにも造詣が深かった。

霊能力を持っている人がいると信じていたし、当時発表されて話題になった、妖精写真も真実と信じていた。

ふしぎなのは、「シャーロック・ホームズ」シリーズには、そのような精神世界への信仰が入っていないということである。

少なくとも、後期の「シャーロック・ホームズ」は、コナン・ドイルさんがスピリチュアルな信仰を表明し、活発にその普及に努めていた時期、ないしはその後に書かれている。

https://en.wikipedia.org/wiki/Arthur_Conan_Doyle_bibliography

降霊術などを信じていたドイルさんが、なぜ、シャーロック・ホームズにはあくまでも物質主義に基づく論理的な推理を託したのか。

これは、興味深いことだと私は考える。

人間が、文脈によって態度を使い分けることができるという、きわめて優れた事例だろう。

 
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