TEDに来ているアメリカ人と立ち話していると、やはりトランプさんの話題になることが多い。


「トランプさんどう思う?」

と聞くと、

「いや、こんなに粘るとは思わなかった」

「もっと早く辞めることになると思っていた」

などと感想が返ってくる。


TEDの参加者は、どちらかと言えば進歩主義者でリベラルだから、トランプさんの評判は良くないのだ。


あるカリフォルニアから来た男性は、「ん? それ、誰だい? 知らないなあ」ととぼけていた。

認めたくないらしい。


だからと言って、トランプさんが何らかのかたちで辞めて、ペンスさんになったらまともかと言うと「いやあ、ペンスは、彼の聖書のことしか信じていないからなあ」と困った顔をする。


全体として伝わってくるのは、諦め気分というか、最初はいちいち反発したり、茶化したりしていたけれども、トランプさんがずっといる、という現実を前にして、一種のアパシーになっている感じだった。


ある人は、「日本に引っ越してもいいかい?」と聞いてきた。

「いやあ、それはどうかなあ」とぼくは答えた。

バンクーバーは、空だけは今日は晴れ間が差してきた。

trumpcat