イギリスの政治コメディの古典、イエス・ミニスター。

何事についても皮肉に真実を語る事務次官のサー・ハンフリー・アップルビーが、イギリスがEUに入ったのは「国同士を対立させて、分割して支配するため」と説明します。

ナイーブな大臣、ジム・ハッカーが、「なんと辛辣な」というと、サー・ハンフリーは「それが外交です」といいます。

イギリスがEU離脱を決めた時に引用された、古典中の古典です。

 


コメディは、差別や偏見、政治的課題など、思考が硬直しがちな問題を「笑い」にすることで、私たちの頭を柔軟で自由なものにします。

特に、タブーになりがちなこと、対立が固定しがちなことほど、「笑い」を通してメタ認知を立ち上げることができます。そのことで、私たちはより自由になります。

コメディに必要なのは、真実を見る「勇気」です。

さらに、コメディは、こんがらがった事態を、論理的に解き明かすことで、笑いに変えることがあります。

人間の自由に対する信頼と、貫かれる論理。この2つがコメディの背骨だと言えるでしょう。

すぐれたコメディは、民主主義に欠かせないインフラだということができます。

コメディは、「自由」の空気製造機なのです。

コメディは、時に、不服従(disobedience)の精神の表現でもあります。

英語のコメディを見ることは、英語力を高める上でも有効です。
英語が分かれば笑える。おかしさ、笑いがわかるかどうかで、自分の英語力をチェックできるのです。