はじめてのご連絡失礼致します。


私はデザインを主としたフリーランスクリエイターのRDと申します。
20代前半の男です。

多くの人々の考えに触れてきた茂木先生にご相談させて頂きたいと考え
検索をかけたところ、こちらに辿り着くことができました!

ありがとうございます。



それでは早速ですが、
ご相談させて頂きたいことがあります。
お忙しい中申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

【ご相談】
学歴社会と実力社会の内容を含んだ恋愛相談です。

クリエイターの私と教員の彼女(20代後半)は結婚を前提にお付き合いしています。仲も良く、順風満帆そのものです。

ところが最近彼女の両親が「RDくんと結婚をすれば幸せになれないから交際は辞めなさい」と泣きながら話をしたということを彼女より聞きました。

私と共に居て幸せになれない理由としては

・4大卒ではないから社会に通用しない
・彼女の両親は公務員と結婚してほしい
・生活に保証がない

という3点だそうです。

彼女の家系は、学歴に強くこだわりがあり両親共に公務員です。
彼女の話を聞いている限りは、公務員であること、高学歴であることが正道というような考えの方々です。

私としても、公務員であること、高学歴であることは
幼少期からしっかりと勉強をし、学校に通った方のみが得られる立派な結果だと思います。

しかし公務員、高学歴を大正義として、他への否定を感じることがあるため(4大卒以外は社会に通用しないなど)少々疑問と悲しさが残ります。


一方の私は、多くの家庭ではあまり見られないような職種のバリエーションが豊富な一家で育ちました。声楽やダンスの先生、マンガ家、建築家のような専門職や、公務員、教員などもいます。


おかげ様で、人生の選択は様々な道があると幼いながらに感じ多くの価値観との出会いの中で成長させて頂きました。

そんな中私は、もともと強い興味のあった音楽、美術、文学の分野にのめりこみ、なんとか高校にはいってほしいと半ば強制的に入学することとなった高校を相談の上1年足らずで退学。

周りの願いではなく、自分の意志を貫いたからには…と
16歳からアルバイト等で生活費を稼ぎ、気になる物があれば国内外問わず旅してまわり、18歳で音楽や旅行分野のライター、編集者となりました。


編集社は大学卒業以上の雇用の会社でしたが、とにかく見てくれ! という思いで作品を送り、面接に通り、他の人と同じ試験を受け得た仕事です。異例の年齢、学歴だけど、最高に面白い! と評価を頂き続けていました。

その後、デザインやライティングなどの制作技術を寝る暇もなく学び、3年働いたのち他の編集者社に移り、時期を見て独立し、今に至ります。

私にとっては、学校では得ることのできなかった誇りある仕事で、誇りある人生です。

しかし、冒頭に上げた理由で
「RDくんと結婚をすれば幸せになれないから交際は辞めなさい」

という流れで、否定されてしまったことに疑問と悲しさが残っているのです。

また彼女のほうも、私の学歴には批判がありもめごとがあると「努力を怠った人間」と言います。
私は毎回、自分の選んだ道を進むために覚悟を持って生きてきた。人間の能力は学歴だけでは測れないのではないか?  と質問し返すのですが意見は一歩通行で、理解してもらえることはありません。

学歴主義である根本に、私を好きだという気持ちがいつもぶつかり合っている感じです。

今回の件でも
「親の理想を叶えるのが幸せなのかもしれない」「親の言うことも分かる」という話があり、一度離れることになったのですが


「人間としての尊敬があるから一緒に居たい」「悩みながらもそばにいたい」と、再び共に生活しています。

戻ってきた彼女に「良かった」という気持ちを持った半面、投げかけられた言葉がもやもやと私の中に浮遊し続けています。

私は何かの型に入れられることなく、自分の没頭する分野でひたすら挑戦していきたいと考えています。情熱で他者に負ける気はありません。

彼女と結婚に進むとすれば、私が仕事でより高い成果を出し、彼女や彼女の両親納得させるのみ。と考えておりますが、学歴が一番 公務員は大正義という相手側の思考をどう、理解していけばいいでしょうか。


中卒であることから過去にもこういった言葉を投げかけられたことは多くありますが、年齢を重ねるごとに気に留めることもなくなり、とにかくやりたいことで楽しみ成果を出すという方向に猛進していました。しかし、その中で信用している相手とその両親にその言葉を投げかけられると、「なぜだろう」と複雑で悲しい気持ちになるのです。

「とにかく安定 学歴が大切」
「後悔のない人生 人間の能力は学歴だけでは測れない」


このままぶつかり続けることはしたくありません。でも、私は安定と学歴だけがすべてだとは到底思えないのです。


長くなってしまい申し訳ございません。
多くの方を知り、お話してきたであろう茂木先生のご意見をよろしくお願いします。 

ご回答。

彼女は成人しているわけですから、親御さんがなんとおっしゃろうと、最後はご自身でお決めになるでしょう。

世の中が学歴や安定を求めるのは、昔からのことで、つまりそうやって「保険」をかけているわけです。

RDさんのような生き方は、面白く、工夫によっては大きく花ひらくわけですが、その一方でもちろんリスクもあります。

人は、自分が持っている「安全」の分だけ、「リスク」をとれます。

その「安全」と「リスク」のバランスの関係は、人によって違います。

リスクをとるのが苦手な人に、リスクをとれと強制したり、リスクもいいでしょう、と受け入れさせることは難しいです。

彼女のご両親も、悪気があるわけではないでしょう。

やはり、これは、RDさんと彼女の問題だと思います。ご両親の反対は摩擦ではあるでしょうが、やはり筋としては本質ではないと思います。

やはり、RDさんが、そうは言いながら、実績を積み重ねて、「安全」の部分を増やしていくことが、彼女にとっても、RDさんにとっても、そしてご両親にとっても幸せへの道だと思います。

素敵な人生を!


nounandemo
 (ご相談なさりたい方へ。 脳なんでも相談室へのご相談は、 https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします)  


これまでの「脳科学生活25年」の中で、よく受ける質問ベスト50を、新たに質問文を自分でつくり、自分で回答した本ができました。 



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