アメリカのコメディアン、ドン・リックルズさんが90歳で亡くなり、惜しまれています。

リックルズさんが得意としていたのは、著名人を「批判」(roast)しながらも、愛をもって讃えるコメディ。

伝説的なのは、1985年、ドナルド・レーガン大統領の二期目の就任の際のステージです。

レーガン大統領夫妻を始め、シュルツ国務長官など、居並ぶ人をさんざんこき下ろした後で、最後にリックルズさんが言ったことは・・・

一つの伝説が、消えてしまいました。

 


コメディは、差別や偏見、政治的課題など、思考が硬直しがちな問題を「笑い」にすることで、私たちの頭を柔軟で自由なものにします。

特に、タブーになりがちなこと、対立が固定しがちなことほど、「笑い」を通してメタ認知を立ち上げることができます。そのことで、私たちはより自由になります。

コメディに必要なのは、真実を見る「勇気」です。

さらに、コメディは、こんがらがった事態を、論理的に解き明かすことで、笑いに変えることがあります。

人間の自由に対する信頼と、貫かれる論理。この2つがコメディの背骨だと言えるでしょう。

すぐれたコメディは、民主主義に欠かせないインフラだということができます。

コメディは、「自由」の空気製造機なのです。

コメディは、時に、不服従(disobedience)の精神の表現でもあります。

英語のコメディを見ることは、英語力を高める上でも有効です。
英語が分かれば笑える。おかしさ、笑いがわかるかどうかで、自分の英語力をチェックできるのです。