私は、すでに何度か表明しているように、政権交代可能な政治状況が望ましいと考えている。

自民党が特に好きでもきらいでもないし、民進党が特に好きでもきらいでもない。

政権交代の可能性がない(その緊張感がない)政治は、必ず腐敗する。

まともな民主主義国で、政権交代の可能性がリアルではない国など存在しない。

その意味で、日本は戦後長い間(そして今も)まともな民主主義国ではないと思う。

さて、自民党の政策には、賛成のところも、反対のところもある。

一方、民進党は、本当に政権交代可能な政党になろうと思ったら、いくつかクリアしなければならないポイントがある。

以下、民進党への直言と、その理由をシンプルに書く。

民進党は、党名を「民主党」に戻すべきである。そして、2009年の政権交代の最大の功労者である小沢一郎さん、鳩山由紀夫さんを三顧の礼を持ってお迎えすべきだ。これがやるべきことの結論。

その理由は、それが人間として真っ当な道だからだ。

民進党は保守、リベラルで言えばリベラルの党で、その中には、「左翼」と呼ばれる人たちもいるのだろう。

ぼくは思想的にはリベラルなところもあれば、穏健な保守の部分もある。しかし、左翼と呼ばれる人たちの共通の欠点は、イデオロギーにとらえられて、人間を見ないところだと思う。

なぜ、民進党という党名に変えたのか? あるいは、小沢さんや鳩山さんを追い出したのか?

すべて、ある観念、イデオロギーに基づくものと私には思われる。あるいは行き過ぎた党派性。内ゲバのようなもの。いずれにせよ、人間としての道から外れている。

その点、自民党には「情」がある。イデオロギーよりも、人間の関係を大切にする。
それは良いところもあれば悪いところもある。しかし、少なくとも民進党はそのような温かさを学ぶべきだ。

格差の是正、貧困の問題、教育、子育て支援、多様性の尊重。

民進党ができること、取り組むべきことはたくさんある。なのにこの状況なのは、真に恥ずべきことだろう。

民進党が党名を民主党に戻すには、技術的には小沢一郎さんの自由党と合併して党名を「民主党」にすれば良い。そして、鳩山由紀夫さんを顧問としてお迎えする(ご自身はもう選挙にはお出にならないだろうから)。

これくらいのことができなかったら、民進党が政権をとるなど、とても無理だと思う。

繰り返しになるが、私は政権交代のリアルな可能性、緊張感がある政治状況が一番のぞましいと考えている。そのような状況をつくりだせていない、という点で、民進党の罪は重い。

なお、以上の論は、なんでも民進党はもうだめだとか、何をしてもムダだ、といった情緒的な論とは別の話のつもりである。

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