ある中央官庁の建物の中。

官僚Aが朝から忙しく働いている。立ったり座ったり、動き回ったりしている。

官僚B「おい、何をしているんだ?」

官僚A「全自動洗濯機を回しているんだ。」

官僚B「えっ、全自動忖度機の間違いじゃないのか?」

官僚A「違うよ・・・普通の洗濯機さ。」

官僚B「だって、オレたち、入省以来、大臣からの圧力、議員からの示唆、世論の動向、省の利益、 さまざまな空気を推し測って、うまく立ち回る、全自動忖度機として訓練を受けてきたわけじゃないか。」

官僚A(しみじみと)「まあ、そうだなあ。」

官僚B(激昂して)「それが、なぜ、今朝は、普通の洗濯機なんだい? 君は、官僚としてのプライドを捨ててしまったのかっ!」

官僚A「証人喚問だよ。」

官僚B「えっ?!」

官僚A「昨日の籠池さんの証人喚問で、いろいろゴミが出てきて、オレたちも一人残らず汚れちまったから、急いで洗濯しているのさ。」

官僚B「そうだったのかっ!」

官僚A「ああ。」

官僚B「その、白いシャツは?」

官僚A「事務次官のさ。」

官僚B「その、黒いズボンは?」

官僚A「理財局長さ。」

官僚B「その、ピンクの下着は?」

官僚A「大臣のさ。」

官僚B「えっ、大臣そんな趣味があったのか?」

官僚A「それは、大臣の個人的な趣味だし、この際ここでは関係ない。」

官僚B「ごめん・・・。」

官僚A「おい、どうした?」

官僚B(目頭を抑えながら)「いや・・・お前が、こうやって、オレたちの汚れを洗ってくれているのを見ると、涙が出てくる。さすが、官僚の鏡だ・・・接見記録は破棄したんだろうな?」

官僚A「ばっちり上書きさ。」

官僚B「日報は?」

官僚A「今朝、燃えるゴミで出した。」

官僚B「理事長の持ってきたこんにゃくは?」

官僚A「昨日、おでんにして食べた。」

官僚B「うんうん・・・完璧だ・・・これは、もはや、君は伝説の全自動洗濯機使いだな。」

官僚A(誇らしげに)「ああ、レジェンドだ。」

官僚B(腕を組み、うなづきながら)「見せてもらったよ。伝説の、全自動洗濯機。。。」

こうして、政権と省庁は救われた。危機を脱したのだ。

・・・・・

次のゴミが噴出するまでは。

森友学園に学ぶ育ち盛りの子どものように、洗っても洗っても、全自動洗濯機はキリがない。。。。



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